【完結】ホイクメン!
「まだ野球続けてたんだ・・・。」




玄関に転がっている古びたグローブを見つけ、思わず彼に声を掛けてしまった。


しかし自ら放ったその言葉を、私はすぐに後悔する事となる。




「遊び程度だよ。

本格的なものはもうできねぇから・・・。」




「あ・・・、ごめん。」




とんだ墓穴を掘ってしまった。


彼が野球を辞めた事情は、間接的だけど私のせいでもあるのに・・・。




無神経な自分を反省しながら、家主に促されるまま居間へと向かう。




准一の家はごく普通な1LDKのアパート。


予告されていた通り、確かに部屋の中はやや散らかっていた。
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