【完結】ホイクメン!
「嫌ならはっきり言えばいいのに。」




面白くない私は彼から視線を逸らし、おもむろに保育室の掛け時計へ視線をやった。




もうすぐ17時半。


9時出勤の信明はそろそろ勤務を上がる時間だった。




「信明先生、もう上がって下さい。

保育の人数は足りてるから、保育日誌の遅番の項目の記入だけ書いて仕事を終わらせて。」




一応私は彼の“先輩”だ。


早番勤務の藤子先生が保育から抜けると、時に私が中心となって指示を出さなければいけない事もある。




「わかりました。」




業務的な会話には時々敬語が入り混じる。


それは保護者の手前と、信明に執着する実花先生への対応のためだった。




「それじゃ、お先に失礼します。」



信明は遅番の保育士たちに声を掛け、まだお迎えの来ていない子どもたちに手を振りながら保育室を後にした。
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