【完結】ホイクメン!
延長保育はあと15分くらいで終わる。


しかし涙目のままの信明を保育に戻す訳にはいかず、私はこっそりと延長当番の代打を買って出た。




―――きっと信明は傷付いた・・・。




今まで必死に保育士の仕事をこなしてきたのに。


ただ“男”という理由で色眼鏡を掛けられてしまう。


今回のクレーム紛いな事もそう。


それから、彼の事を“恋愛対象”として見る同僚や保護者の視線も・・・。




七夕祭りの日以来、信明は他のクラスの保護者に声を掛けられる事が多くなったと言っていた。


しかも声を掛けるのは、決まって“父親のいない家庭”の親ばかり。


冗談半ばで書いた短冊の内容がまずかったのだろう。


イケメン保育士の信明に恋人がいないのだとわかれば、実花先生のようにアプローチを始める女性はきっと少なくない。
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