【完結】ホイクメン!
見た目がカッコイイだけじゃない。


相手が誰であっても立ち向かい、自信を持って行動できるスーパーマン。


あの時の私には、彼が“英雄”に映った。




白馬に乗った王子様、正義の味方・・・。


どんな役に例えたって、彼が“ヒーロー”である事には変わりない。




ある時は調理室の入口から。


また別の日は調理室の窓際に現れる彼。


美味しい匂いに誘われて調理部の活動を覗きに来る彼に、ある日私は思い切って声を掛けた。




「良かったらこれ・・・!!」




学校で初めて会話を交わしたあの日、私はドーナッツを揚げていた。




ふんわりとしたキツネ色のドーナッツに塗した甘い粉砂糖。


彼は口の周りを白くしながら「美味しい」と言って完食してくれた。
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