【完結】ホイクメン!

Scene.3

春が訪れ、また夏が来る――――――




信明との再会から1年が経った。


お互いがお互いの気持ちを知らないまま過ごした日々はとても長く感じたけど、思いが結ばれてからの日々はもっと過ぎていくのが早い。




「優香、落ち着きなさい・・・。」




母は呆れた顔で私を諭し、落ち着かない様子の私を見て苦笑している。




歩きにくい高いヒールの靴は絨毯の隙間に引っかかり、その場でばたんと床に倒れ込んだ私。


こんな事を繰り返しながらも、気持ちが逸り落ち着ける訳がなかった。




「全くもう・・・。

清香も何とか言ってやってよ!?

お姉ちゃん、浮かれすぎて馬鹿みたいだ・・・って。」




母の隣には無表情な妹の姿。


こんな顔をしていても、きっと彼女なりに私を祝福してくれているのだろう。
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