天然ダイヤとイミテーション・ビューティー ~宝石王子とあたしの秘密~
オモチャの指輪と打破する仮面
 それから数日経ち、私は顔にパッドを貼った状態で出勤した。
 いつまでも休み続けてもいられないし、辞めるなら辞めるで早めに対処した方がいい。
 そうなれば晃さんとのことも、今度こそキッパリ踏ん切りをつけられそうだ。

 メイクは一応、身だしなみ程度に薄っすらプレストパウダーを叩いたけど、それだけ。
 顔に怪我をして治療中なのに、がっつりフルメイクするのもなんだかなー、な気がして。
 これまでの自分を思えば、すごい変化だと思う。
 内心ちょっと気が引けながら出勤した私を、お店のみんなはとても温かく迎えてくれた。

「聡美ちゃーん! 元気になって良かったー!」

 詩織ちゃんが抱き付いてきて大喜びしてくれた。
 栄子主任も嬉しそうにニコニコしている。

「聡美ちゃん、良かったわね。でも無理しちゃダメよ? 詩織ちゃんは聡美ちゃんのサポートよろしくね」
「はーい! もう、任せてくださーい!」

 ドンと胸を叩いて引き受けてくれた詩織ちゃんは、言葉以上に、本当に必要以上なほど気を使ってくれた。

「ほらほら、聡美ちゃん! 仕事なんかしちゃダメ! 無理しないようにって言われてるでしょ!?」
「いや、でも私、仕事しに店に来たんだけど」
「いーから、聡美ちゃんは控え室で休んでて! 用事ができたら呼びに行くから!」

 そう言って私の背中をグイグイ押して従業員控え室に押し込む。
 私は苦笑しながら、おとなしく従うことにした。

「あ、そうだ忘れてた。預かり物してたんだっけ」

 詩織ちゃんがそう言って、自分のロッカーの中から一通の封筒を取り出し、私に差し出した。

「聡美ちゃん、はいこれ。晃さんから」

 晃さんから!? 晃さんが私に手紙を!?
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