地球を守って!恋するヒーロー
何か答える暇もなく、空気に紛れてしまったネリ。


それを合図に、犯罪組織の何人かが私と千明のところに目掛けて、マシンガンのようなもので狙いを定めた。


......止まって!

心の中で念じながら両手を前に出し、銃弾が止まるのを即座にイメージする。


次の瞬間、集中射撃された銃弾はピタリと止まったように見え、千明の出した大きな盾にゆっくりとぶつかった。

 

「あっぶねー!
いきなりだな」



.....本当に、心臓に悪い。
常人だったら今ので死んでるよ。


千明に頷きながらも、実戦でもちゃんと力が発動したことにホッとする。


まだ対人には力が不安定だけど、訓練の成果もあり、動いてるものに対してはようやく力が安定して使えるようになってきた。



「アキ、たしかスワヒリ語話せただろ。
村の人たちを安全な場所に避難させてほしい。
さっきから、言葉が通じなくて困ってる」



誰かが次の行動に移る前に、誰よりも先にブレットが口を開く。



「おう!任せろ!」



力強く返事をして、犯罪組織が反応して打ち込んだ銃弾をすり抜けながら、すぐに民家へとかけていく千明。


都会ならともかく、田舎ではやっぱりまだまだ英語は通じないから......って、千明行っちゃったけど、私はどうすればいいの!?
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