地球を守って!恋するヒーロー
「うちのお姫様たちに、汚い手で触らないでもらえるー?」


「あ......」



助けなんか絶対こないと思ってたのに、この声は。


調子の良い声が先に聞こえてきて、ゆらゆらとした蜃気楼のように空気がぼやけて、じょじょにそれは千明の形になっていく。


あれ?今、ネリみたいに透明化してた?

ううん、そんなこと今はどうでもいい。

助けにきてくれた、千明がきてくれたんだ。


いきなりあらわれた千明に二人組は驚きながらも、襲いかかる。

千明は両手から取っ手のついた警棒のようなものを二本出して、それで応戦。


相手の攻撃を高く跳躍して避け、千明は上から勢いをつけ、二本の棒をそれぞれ敵の頭に叩きつける。

見ている方が痛くなりそうなくらいに、容赦なく。


二本の棒を器用に操った千明に、あっけなくなぎ倒される二人組。



「お待たせしました、プリンセス。
あなたのナイトです」


「あぅ......、ちあきぃー!
こわかったよぉー……」



二人組を手から出した縄で縛ってから、私たちにウインクをする千明に、私は自由にならない体で突進するように体当たりした。


本当に怖かった......。
ずっと閉じ込められてるし、リンレイはこんなだし。

千明がきてくれなかったら、どうなってたか分からないよ。


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