地球を守って！恋するヒーロー
「あ、ごめんね。
よく事情も知らないのに、分かったようなこと言って」


「いや、美菜の言う通りだ。
そうだよな、あいつが父親だってことは変えられないんだよな。
どんなに嫌なやつでもさ」



そう思ったらすっきりした！と吹っ切れたように、歯を見せて笑う千明。

何も解決してないような気がするけど、大丈夫なのかな？



「もう大丈夫なの？
気の利いたことも言えなくて、ごめんね」


「そんなことない！
可愛い美菜が俺を慰めてくれるなんて、それだけで元気出る」



......冗談が言える元気があるなら、大丈夫だよね。

いつもの千明に戻って呆れるけど、でも安心した。


ほっとしていると、繋いでいなかった方の手を急にぐっと引き寄せられ、おでこに軽くキスをされる。



「わっ！な、なにするの？」


「知ってる？
サイキックはキスすると、一時的に力が強くなるんだぜ？」



それは手のひらを合わせた時の比じゃないくらいに強くなるんだ、と千明お得意のキラキラスマイル。
< 186 / 303 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop