地球を守って!恋するヒーロー
「そう、いいよ。
この子の命は奪わない。

代わりに、月の植物を根絶やしにする」


「アシュリー!」



赤い実のついた植物の上に手をかざすアシュリーを、叫んでから止めようとした。

けれど、アメジスト色の瞳に囚われて、金縛りにあったように動けなくなる。



「アシュリー、やめろって。
それ以上勝手なことするなら、俺も許さない。

日本ケニアの総合チームリーダーは俺なの。
自分の立場をわきまえてもらえる?」



アシュリーが青白い光で植物を切り裂く前に、千明が盾を出してそれを弾く。

そして、めずらしく強い口調でアシュリーをとがめる。


鋭い視線で二人がにらみ合った後、先に視線を外したのはアシュリーの方だった。



「いいけどね。
この子が将来地球に害をなす存在になったら、どう責任とる気?
その可能性も捨てきれないよね?」



アシュリーはふうと小さくため息をつき、横目で千明を見た。
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