地球を守って!恋するヒーロー
「その時は俺が月に戻って、責任もって今度こそ息の根を止める。

だけど今はまだ、敵じゃない。
必死で生きようとしている小さな命だ」



むしゃむしゃと植物を食べ続ける赤ちゃんを、千明は穏やかな目で見つめる。



「二人とも甘いなぁ、甘すぎる。
優しいようで、すごく残酷だよ。

親も仲間も全て連れていかれて、たった一人で生きていくこの子は、生まれなければ良かったって思うだろうね。
生きてたって何ひとつ良いことなんかないよ」



アシュリーは私たちに背を向けて、ぶつぶつ言いながら洞窟を出ていく。


その言葉が妙に胸に刺さる。

余計なことしたかな......。
生きてても辛い思いをするだけなのかな。
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