地球を守って!恋するヒーロー
「手術を受けて戦うか、このまま死を待つかは君次第だ。もちろん強制はしない。

月との戦いは危険なものとなることが予測されるが、その代わり君たちには莫大な報奨金が用意されることになっている。

もしも、殉死してしまった場合には家族や指定の方に引き渡されるので、安心してもらいたい。

君たちの活躍は世間には公表できないが、地球を救う影の英雄となるのだ。どのみち死ぬのなら、ただ死を待つよりも、華々しく戦って散ろうと思わないか?」



思わないよ......。
お金もらっても、死んじゃったら意味ない。

でも家族には渡されるのか、お父さんとお母さんはどう思うかな。

ケニアに行く前に最後に見た両親のさみしそうな顔が、頭をよぎる。



「少し、考えさせてください。
なんだか頭が混乱して......」



強制はしないと言いながらも、御堂先生の言う通りにしないと結局私は助からないのだから、強制みたいなものだ。


やっぱりどこまでも非情な御堂先生に時間をくださいと言ったら、素直に引き下がってくれた。

いい返事を期待していると言い残して。
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