海底の王国〈封印編〉
「そうですね…結界班からの報告…それから、シアン・モノフの捜索を待ちましょう…」

ルドがそう言うと、クメカとラギは客間に通され…フレアとユラとロイズは、フレアの部屋に戻って行った。




日もすっかり落ちて、海底の世界に夜が訪れると、街には明かりがともり、フレイヤース宮殿もライトアップされた。

フレアの部屋は温かな照明で照らされ、集まったフレアとユラとロイズと、なぜかクメカとラギも一緒にテーブルを囲んで、夕食を取っていた…


「ほっほっほ…用意してもらった部屋は、ラギと二人では、ちと広すぎてな〜」

クメカはアワビの作りを、パクリと食べると説明した。

用意された食事は貝類が中心で、味付けはほとんどなく、海そうがいろどりをそえ…大皿には、大エビにウニにホタテにアワビと、ごうせいな海の幸が並べられた…

「こんなに、おおぜいで食事をするのは、久しぶりです…」

ラギは小さな皿に乗った、ハマグリとウニのオードブルを美味しそうに食べると、呟いた。

「わたしも〜」

「ぼくも〜」

フレアとユラは、宮殿内のフンイキがピリピリしているのが、嫌でも分かるせいか小声で言った。
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