海底の王国〈封印編〉
「…陛下たちが、何とかしてくれますよ…救護班も無事、帰って来たようですし…結界も成功したようですし…」

ロイズは、二人を気づかうように言った。

本来なら楽しいはずの食事だが、仕方がない…



食事が終わると、ロイズが授業をすっぽかしたうめ合わせですと言って、セーユをひきはじめた。

「…美しいですね…昔を思い出します…」

海の中に響き渡る美しいセーユの音色を聴きながら、ラギは目を閉じた…

「むかし?どんな?」

フレアがソファーにもたれながら、たずねた。

「わしも聞きたいの〜?ラギ…」

クメカもうっとりと、セーユの演奏に耳を傾けるとたずねた。

「…昔、昔の話です…ある所に、アルーシャ王国という国があり、マジェンタ姫がおりました。私はその姫の側近で、姫をお守りしていました…が、ある日、ビクス王国という国が、我が国を攻めて来ると、あっという間に滅ぼされてしまいました…」

そこでラギは一息つくと、また話しはじめた。

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