気がつけばいつも、キミだけを。
「知奈、おはよ。トイレ行こ」
カバンを置いてすぐに、奏美に引っ張られて連行される。
昨日の夜、電話で話したはずなんだけど。
そう思いながらも、黙って引っ張られることにした。
「ねぇ、昨日どうだったの!?」
トイレの入り口で、私の肩をガシッと掴んで前後に揺らしてくる。
ど、どうって。
「電話で話した通りだよ」
「何かすごい展開すぎてついて行けてないんだけど!」
「私だってついて行けないよ……」