気がつけばいつも、キミだけを。
もう一度キミと
河本くんに背中を押されて走り出した。
ちゃんと伝えたい。
不器用で上手く伝えられないけど、はっきりと自分の言葉で。
体育館に向かって走る。
何を言おうか頭の中で考えてみても、全く浮かんでこない。
とりあえず、早く会いたい……!
その一心で廊下を走る。
と、ちょうど練習着に着替えて職員玄関の前でアップをしている奏美の姿が。
「奏美!」
私が呼ぶと、奏美は振り返りこっちに来てくれる。