図書館からはじまる
〜12〜



★ ★ ★

朝から、会社で社長に呼ばれた。


社長と言っても父だ…


「今日も朝から、会長のところに行って来た」


「俺も行ったよ」


「そうだったのか…」


時間は、違ったが同じタイミングで行っていたようだ…


「その時にな、少し仕事を休んでゆっくりしたほうがいいのではないかと伝えると、会長が「会社は、もうお前に任せる…わしは、もう引退する」と言ってきた」


「え?じいちゃんが…」


「ああ、来期から宗輔を専務へ昇進させる予定だったが、早まることになりそうだ」


「はい」


「予定では、二ヶ月後だ」


「に、二ヶ月後ですか?」


「遅いか?」


「いや、早いぐらいです」


「会長は宗輔の結婚を望んでいる。「専務になるのだから、落ち着いたほうがいい」と、言っていた。だから宗輔に見合いの話がある」


「見合いですか?」


「ああ、嫌か?」


「はい。それは…」


「それなら、結婚しなさい」


「結婚ですか?」


「そうだ、それが昇進の条件だ」


「は、は〜」


「いい人でもいるのか?」


「はい。真剣に付き合っています」


「笹倉さんのとこの…」


「そうです」


「一度食事をしよう。また、家に呼びなさい」


「わかりました」



< 133 / 145 >

この作品をシェア

pagetop