図書館からはじまる



人形を届けに姉の家に向かう。


徒歩だと、20分ぐらいかかる。


まぁ、日頃運動してないから、丁度いいな。


それにしても、俺は本当に無神経だよな…


そういえば、今までの女にそんなこと言われたことないな…


のっぽさんのこと、ほっておいたらいいのに…


どうしてこんなにもほっておけなくなるんだ?


色々考えているうちに、姉の自宅に着いた。


インターホン鳴らし、すぐに姉が出てきた。


「あら、宗輔。連絡してくれたらよかったのに…」


「あっ、ごめん忘れてた…」


「何それ?あんたどうしちゃたの?なんでも、電話で済ませる人が…」


「あぁ、あったんだ。人形…はいこれ」


「ありがとう。宝!そうちゃんが見付けてくれたよ!」


バタバタバダ〜と宝が走って来た。


「そうちゃ〜ん!ありがとう!
そうちゃん、だいすき!」


宝は、俺の足元に抱きついて来た。


可愛い奴だな〜。俺は、しゃがんで宝に言った。


宝は、えへへと満面の笑みを浮かべた。


「宝、もう落っことすなよ」


「うん!」


「じゃあ、俺は帰るわ」


「あら、ご飯食べていかない?」


「あぁ〜ごめん、やること一杯あってさ…」


「そうなんだ、大変ね。未来の社長さんは…まぁ、頑張って!」


姉と宝に見送られ、俺は家路に着いた。




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