図書館からはじまる



それから二週間私は、偶然にも金曜日は、仕事が休みだった。


顔の腫れも、内出血も跡形もなく治った。


櫻子さんの話によると、太田さんは金曜日に、必ずいつもの時間に来館していたようだ。


あの飲み会で櫻子さんは、私が太田さんの彼女に、平手打ちをされたことを話したらしい。


そして太田さんは、私のことを気にしてくれて、櫻子さんに「体調は大丈夫?」なのかと確認してくれるらしい。


太田さんのお友達の河野さんは、2日置きぐらいに来館する。


どうやら、河野さんは、櫻子さんに猛烈なアプローチをしているらしい。


櫻子さんは、それを楽しんでいて、付き合って欲しいと言われているが、焦らしている。


けど、ひと回りも年が違うことも気になっているようだ。


今日も、金曜日。


私は、18時50分前になると事務所に向かう。


今日も、私のことを気にしてくれたみたい。


太田さん、ごめんなさい。


あなたのこと諦めないといけませんね。




< 76 / 145 >

この作品をシェア

pagetop