秘密が始まっちゃいました。




私の願いは虚しく、翌日に早速事件が起こった。

火曜日のお昼、私は真子とコンビニ新作の菓子パンをデスクに並べていた。たまにやる新商品食べ比べの会だ。


「クリームたっぷりツイスト。ショコラオレンジロール。おいしそう!でもカロリー高そうですねぇ」


真子が嬉しそうに、でも罪悪感を持ってパンを見下ろす。
私は悪代官のようにふふふと笑う。


「でしょ?でも、二人で食べれば怖くない。ほら、こっちのレーズン入りメロンパンもよくない?」


「いい!見事に甘いパンばっかりですね!私たちって悪い女!」


「ホント!悪女だぜ!」


嬉々としてパンの包装を破ろうとした私たちの耳に、鋭い声が届いた。


「望月日冴さんはいらっしゃいますか!」


私と真子は総務部の入り口を見やる。
そこには、仁王立ちの羽田さつきがいた。

その気合いの入った臨戦態勢の表情。
武将か、あんたは。
バックに法螺貝の音が響き渡っていそうだ。
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