秘密が始まっちゃいました。
「ご本人は喋る気はなかったようですけど。お茶をしていたらぽろっと。『あー、日冴んとこにペン置いてきちゃった』って……。どういうことですか?」


ペン?なにそれ。身に覚えがない。
私は荒神さんにバッと視線を送る。今朝、私にキスした彼は呑気にへらっと笑って見せた。
どういうことか聞きたいのは私の方だよ!!


「荒神さんは何て?」


「『望月に聞けば説明してくれる』って」


説明できるか!!
ただ、わかったのはこれが彼の言っていた『奥の手』なのだろうってこと。
たぶん、このデートに私を引っ張り出すことが最終手段だったのだ。

どこまで頼りっきりなんだ、この男!!

羽田さんが甘めな装いに似つかわしくないオーラをまとって問い詰めてくる。


「私、火曜日に望月さんに伺いましたよね?荒神さんに好意は無いですかって。なのに、どうしてお二人は一緒に過ごしていたんですか?」
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