秘密が始まっちゃいました。
「うわぁ、考えらんねぇなぁ」


荒神さんがゲッという顔をする。

そうでしょうとも。
一販課が好むのはとにかくお酒が飲みまくれて、騒いでも出入禁止にされないとこですもんね。


「余計慎重に探さないとな」


「お互いの部署の折衷案的お店ですもんね」


私たちは勇ましく神楽坂を登る。


お互いの部署が使ったことのあるお店はスルーして、使ったことのないお店を当たる。
外観やメニューをチェックして、宴会コースを確認。

使えそうなお店は、たくさんある。
でも、なんていうか普通?

一販課にはもの足りず、総務部の女子からは「甘いお酒が足りなーい」「オツマミがおしゃれじゃなーい」とか言われそう。
変化球で中華居酒屋とかも考えたけど、一販課の営業マンたちから「白酒だけじゃなくて日本酒!」なんて文句が出そうだ。

あー、悩む!

自分の部署以外の幹事って、もしかしてすっごく大変なんじゃない?


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