秘密が始まっちゃいました。
「荒神さん、ここ、いいですよね」


「ああ、酒は揃ってるし、メニューは普通だけど味が抜群だよな」


「ここなら、うちの女性陣文句ないです。男性陣は元から文句言いません」


「一販課の連中も酒がこれだけ種類あって、すぐに出てくるなら文句ないな」


私が頷き、荒神さんが頷く。


「じゃ、ここで」


「決定ということで」


そして私たちは再び乾杯した。


その居酒屋『六さし』は本当に何を食べても、何を飲んでもおいしく、私と荒神さんは平日なのを忘れ、おおいに飲んで食べた。

私としては、男性と二人きりでごはんなんて丸三年ぶりだ。
食事はおいしく、お酒は楽しく、隣にいるのは、申し分のないイイ男。
ホント、荒神さんじゃなければ、ドキドキハッピーなシチュエーションなんだけどなぁ。
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