秘密が始まっちゃいました。
大作戦




翌週の水曜日が作戦の初日と決まり、私と荒神さんは新宿で待ち合わせた。

社内で待ち合わせなんかしない。
彼とプライベートで出かける理由を、誰かに詮索されても困るもん。

普段使うJR新宿駅ではなく、副都心線の新宿三丁目駅が待ち合わせ場所。
こちらの方が映画館には近い。出口指定で待ち合わせることにした。

やってきた荒神さんは、本日はグレーのスラックスと薄い青のストライプシャツ。
ボタンダウンの襟から見える喉仏、シャツの下に浮かぶ鎖骨までのラインが、すんごくイケております、ハイ。


「お待たせ」


「いえいえ」


かく言う私は、白のボウタイブラウスにピンクベージュのスカート。
あんまり気合い入れたくないので、飽くまでシンプルに。
でも、一応ヒールのあるパンプスにしましたよ!
イケメン荒神さんとあまりに釣り合わないんじゃ、恥ずかしいし、申し訳ないもん。


「メシ、食ってからにしようか」


「先にチケットだけ買っておきませんか?指定席の」


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