秘密が始まっちゃいました。
「お、望月が初めて俺に興味を持ってくれた!」


荒神さんがニヤニヤと言う。
興味で聞いてるんじゃありません。


「彼女がいるのに、私と出かけてたらマズイと思っただけですよ」


「ここ2年くらいはいないよ」


2年ってことは、本社に来た頃からいないのか。
イヤイヤ、ホント興味があるわけじゃ……。

心の中で言い訳する私。
そこに驚くべき言葉が降ってきた。


「望月が、そうなってくれてもいいよ?」


は?そうなるって?

彼女に!?


「何言ってんですか!あり得ません!」


私は反射的に怒鳴った。
荒神さんはちっとも真剣味のない口調で言う。


「望月、彼氏いないんだろ?可愛いし、スタイルもいいし、大歓迎」



「軽い!軽すぎる!やっぱりあり得ません」


私は冗談めいた告白をばっさり切る。
ふざけすぎだ、この人。
モテ男ジョークは余所でやってくれ!
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