秘密が始まっちゃいました。
駅から5分の彼のマンションは、すぐにわかった。
結構大きいマンションだ。

私と荒神さんは同じ沿線。でも、立地的に、荒神さんは新宿寄りの人気の住宅地に居を構えている。
私が独り暮らししてるアパートなんか、新宿から25分、駅から徒歩10分ですけど。

やっぱ、年齢給と役職給が違うからなぁ。総合職と一般職の差も感じる。

総務にいれば、彼の月収やボーナスまでわかってしまうけれど、それを思い出すのはやめた。よせよせ、下品だぞ、私。

手土産を兼ねて、お昼ごはん用にサンドウィッチを買う。
駅のパン屋さんはチェーンだけど、結構おいしい。
気張ってなくていいよね。

ドッキドキの胸にぎゅっと握った拳をあて、深呼吸。
それから502号室のドアチャイムを押した。

ほどなく、ドアが開く。


「おはよ、望月。来てくれてありがと」
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