10年越しの再会



て事は俺の名前も分かっとう…?


彼女は俺が交代したピッチャーだって事に最初から気づいてたらしい。

「なら、俺の名前も知っとるんよね?」

『うん!花田くんよね…?』

あーー。やっぱ俺の勘違いだった。
瑞希なら俺の名前を覚えてるはずだ。


うん、きっと覚えてる。多分。

「おう!俺、花田智希って言うけん!よろしく」

ちょっとだけ掛けてみたくなって、わざとフルネームを伝えてみたけど…




『うん!よろしく!』


ダメか。うん、まあそう上手くいくわけないし。分かっとったことやし。




< 50 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop