Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
「尚建は潰す」

新年、オレは龍を呼び出して決断を告げた。


「尚さんっ!
なに弱気んなってんスかっ!」


「そんなんじゃねぇよ…

尚建はもうダメだ。
これ以上しがみついても、犠牲が増すだけだ。

お前だって、わかってんだろ?」


悔しさに顔を歪ませる 龍。


「けど、従業員は巻き込めない。

だから 龍…
お前が会社立ち上げて、アイツら頼むよ」


「俺にはムリっスよ!

それに尚さんが築き上げたもんじゃねースかっ!」


「お前が築き上げたもんでもあんだろ?

それに俺が潰れてた時、会社の事全部仕切ってたのはお前だ!

ここはもうお前の会社だ」

訴えるように強い視線を龍にぶつけた。


「…っ尚さん」

困惑の表情を浮かべる…


「心配するな…

前に、かなりいい条件で独立の話があっただろ?

そこを親会社に、話つけて来た」


驚きで、目を見開く 龍。


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