Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
「あれ、尚は?」

「…帰った」


側に来たセージさんに、そっけなく答えた。


「はァ!?アイツ、俺に挨拶もナシで…」
「アタシが帰らせたんだよ」


セージさんが言い終わるのを待たず、遮るように答えた。


「…何かあったのか?」


「なんかあったじゃねーよっ!」

抑えきれずに怒りをぶつけた。



アタシの怒鳴り声に、周りはシン…となる。



「おい…

飲めないくせに、酒が入ったんだな…
ちょっと、酔い覚ませよ」


そう言って誤魔化すと、
セージさんは、アタシを表に連れ出した。





「ナオにオンナが居る事…

知らないワケないよな?」

セージさんを睨んだ。


「…ん、知ってるよ」

悪びれる事なく答えた。



「ふざけんなよっ!!

その気にさせて…

アタシの事、からかってたのか!?

上に立つヤツは、
人の気持ちもわかんねーのかよっ!!」


そう吐き捨てて…

バッグを持ってきてたアタシは、そのまま帰ろうとした。


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