Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
セージとの日々は楽しかった。


水族館もすごく気に入って、2週間に1回はデートコースにリクエストした。


セージは「またか!」って言いながらも、嬉しそうに付き合ってくれた。



「こんなイイ男捕まえて、幸せもんだな!」

「そんなイイオトコなら、オンナがほっとかねーだろ!」



イイ歳こいて、無邪気なオッサン(セージ)が好きだ。



「あのな、
これでも俺けっこーモテんだぞ?」


「ふーん…
じゃあ、なんでフリーだったんだ?」

まともに相手せずに、タバコを吸い始めると…


「女なんて、面倒だった…
どーせ、考えてる事は同じだろって…」


「…

なんかあったのか?」

意外に深刻そうな話で心配になった。


「なんかって程じゃ…
ただ、結局みんな顔とか肩書きとか金で
寄って来てんのかなって…」


「なんでそう思うんだ?」


「そんな話ばっかするから。
カッコイイとか、時期社長でスゴイとか
羨ましいとか…
俺の苦労も知らねぇで…」



井出工務店は、石井組ほどじゃないけど
けっこー大きな会社だ。

その息子となれば色々あんだろな…


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