EXCAS
再会の幕

イクシアス

 手にした武器は歯車の柄に諸刃の刃。斬馬刀と呼ばれた刀に似ている。
 黒赤の鎧は頭部と各関節を除いて固め、肩甲骨から生えた四枚の羽根から、水に似た赤い粒子は止まる事を知らない。
 短い黒髪は、腰まで届く近の髪へと染め上げられ、原形を留めているのは蒼い右眼だけ。左の眼は翠の猫眼。
 誰が、彼をショウ・ステイアスと思えるだろうか。
 粒子が凝縮し爆ぜた。爆発加速は、一秒間に数十メートルの距離をゼロ。
 斬馬刀を軽々と振り回し袈裟斬り。亮太と違い、敵対するEXCASは対象を脅威と認識した。敵の大きさからライフルではなく自動小銃を使用するが直撃前にロストする。『古き印』ではなく紫色の障壁。大きさの違う、それは魔術障壁。
 同様に加速で生じた交差し、集まっていた事は失敗。
 隙間を縫う軌跡の高速移動。擦れ違い様の一撃は右薙ぎ唐竹逆袈裟刺突。放たれた計四撃、五機いた敵の影も形もこの空に残らなかった。
 何という戦力と気迫。
 現実味のない存在は、夢物語のように振舞った。
『大丈夫か、生きているなら返事をしろ』
 無遠慮に呼びかける、その声はどこかで聞いた。思わず喚き返した。
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