EXCAS
 戦況は目に見えて劣勢。数は互角だがそれは全軍で攻めていないだけ。
 進入口には十を越える機体が展開していた。真綿で首を絞めるかのように、一定時間経つたびに新しく機体を投入していく。
 勝負を決めるか、交戦から数十分経った頃にガイアの片腕が投下された。
 副官ACE。
 同部隊のEXCASと同じく黒い機体なのだが少し異なる。
 四枚羽根に頭部は人型ではなく鳥頭で鳥人類(ガーゴイル)に似ている。武装も量産されたDIS-PPK以外に、『DIS-GAU-2B/A』を二挺ずつ装備し、片手剣『DIS-SABER』を携えていた。
 魔術兵装の銃器は昔作られたそれと同じ性能を持ち、威力は桁違い。
 だがオリジナルの物もあり、VANISH以外にSABERもそう。形状は日本刀と同じだが、実剣と違い柄しかない。そこから出てくる刃の破壊力はPPK以上。実剣と鍔迫り合いになるはずがない。
 護衛機もなく単身で戦場を駆ける。既に三機落とし、敵の母艦を発見した。
 あれがそうかと、自将に連絡する、必要もなく終わると計算算出。
 目的までの直線距離に敵機は四機。勝利条件を満たせば他を相手にする必要もない。魔術機構をフル回転させ、十秒以内に接近する。
< 102 / 493 >

この作品をシェア

pagetop