EXCAS
 草原で寝そべり、隣にはTYPE00。
 反対側には、名前を知らない幼い少女。
 失礼な物言いだったろう、しかし笑って答えた。苦笑ではなく、本当に楽しそうに。
 少しだけ面食らったが、言い出したからには何か続けないと。
「そういう話しか出来ない、ってわけじゃないよね? 照れているのかな」
「……やれやれ。随分第一印象とは違うな」
「あっちだってわたしだよ。そう感じたのなら間違ってない、わたし」
「意味深な事を。だがま、第一印象なんてのは、そんなものだからな」
「付き合っていけば、わかっていく。これから、長い付き合いになるんだし」
「ああ……そうだな」
 言われるまでもなかった。
 あの瞬間、ショウと彼女は一つになった。
 外から見ればそうだっただろう、だが実質その通りだった。ショウの視点は彼女のもので、どちらの意志で動いたのかさえわからないほど両者の境界は薄れていた。
 暗黙の了解だった。たった一度の接触で、互いの心情が理解できた。
 ショウと彼女は似通っていた。だからこそ、あの時ショウが見捨てなかった以上、これから先も見捨てないだろう。狙われる以上、そのせいで他の誰かが犠牲になるのなら自ら戦線に赴くだろう。
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