EXCAS

レナ

 三日が経った。動力部の戦いから、平和な時が過ぎた。
 彼らが気付いた時にいたステーションはステイ零三。ステイ零四の隣に当たる。ここも謎の組織から襲撃を受けたらしく、いくつかの地区が廃墟然となっていた。
 三人はその一室に住んでいた。正規の手続きを踏まず不法入国。戦時中とはいえ、いい待遇があるわけでもない。むしろ、TYPE00の事をどう説明するのだろうか。そう考えると、軍や警察に出向くわけにはいかなかった。
 だからこうして、ショウが一人町を探して回っていた。リンの母親を。
「これで、一体いくつめだろうな。いや、そんな泣き言は無用だ」
 TYPE00と今は買い物をしているだろう少女の事を思い出す。
 あれからすぐ、目を覚ました少女は、まず泣き出した。
 母親に会いたい、枯れ果ててしまうほど涙を流した。
 彼女がいなければ、もっと泣いていただろう。母親代わり、そうなってあげると約束して抱き締めた。
 元気といえば元気だが本調子ではない。だからこそ会わせてやりたい、そう思ったショウはこうして、地区を回っては子供とはぐれた母親を探す。
「なかなか絶望的だ。本当は」
 初日の事だった。ショウが、一際賑やかなところで情報収集していた頃、テレビが気になる単語を発した。
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