マー君2(原作)
<13>
翌朝、一樹はいつもより早く家を出るため、玄関で靴をはいていた。その際、リビングから母さんが弁当袋を持ってきた。
「一樹・・・・・・お弁当」
ピンクのエプロンを着た母さんがやつれた顔で袋に包んだ弁当を一樹の横にそっとおく。容姿はそこそこ良く、黒い長髪を肩に垂らし、白い顔はどこか優しさを感じさせる。
顔は美人に入る類だが、日頃の親父の仕打ちのせいで所々顔が赤く腫れ、みすぼらしくなっている。
一樹は自分の母親の苦しそうな顔を見上げ、弁当を手提げ鞄に入れる。
「母さん」
「なーに? 一樹」
「母さんは--」
一樹は母さんから顔を逸らし、はいた靴を眺める。
そのすぐ側に親父の黒い革靴が見える。それを見ていると、自然と昨夜のやり取りが思い浮かんできた。
「なんで親父と別れない? あいつは俺と、母さんの人生をめちゃくちゃにし、母さんを傷つけ、こんな--」
ふと肩に手を置かれる。
振り向くと、母さんが苦笑いしながら肩を掴んでいた。
どこか寂しそうで、辛そうで、でも笑っていた。
翌朝、一樹はいつもより早く家を出るため、玄関で靴をはいていた。その際、リビングから母さんが弁当袋を持ってきた。
「一樹・・・・・・お弁当」
ピンクのエプロンを着た母さんがやつれた顔で袋に包んだ弁当を一樹の横にそっとおく。容姿はそこそこ良く、黒い長髪を肩に垂らし、白い顔はどこか優しさを感じさせる。
顔は美人に入る類だが、日頃の親父の仕打ちのせいで所々顔が赤く腫れ、みすぼらしくなっている。
一樹は自分の母親の苦しそうな顔を見上げ、弁当を手提げ鞄に入れる。
「母さん」
「なーに? 一樹」
「母さんは--」
一樹は母さんから顔を逸らし、はいた靴を眺める。
そのすぐ側に親父の黒い革靴が見える。それを見ていると、自然と昨夜のやり取りが思い浮かんできた。
「なんで親父と別れない? あいつは俺と、母さんの人生をめちゃくちゃにし、母さんを傷つけ、こんな--」
ふと肩に手を置かれる。
振り向くと、母さんが苦笑いしながら肩を掴んでいた。
どこか寂しそうで、辛そうで、でも笑っていた。