きらいだったはずなのに!

「……悪いけど、悠斗のこと、そういうふうに見れないよ」


 そりゃそうだろう。


 不本意だったけど、茉菜を傷つけた過去は変わらない。


「わかってる。だけど、もう一度好きになってもらえるように、頑張ってもいいか?」


「……好きにすれば」


 茉菜はぶっきらぼうに、そう答えた。


 びゅうっと大きな風が吹いて、茉菜の短い髪をなびかせた。


 ポニーテールが一番かわいいと思ってた。


 だけど、別れてから気づいたんだ。


 ポニーテールがかわいいんじゃなくて、おまえがしてたからかわいく見えてたってこと。


 それを伝えられる日は来るんだろうか。


 そんなことを考えながら、暮れていく夕日をただ眺めてた。





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