沢村くんの研究資料

うん、とりあえずシナリオ通りにね!


ちょいちょい待てよ?

ここは普通、「きゃー」って叫んで気絶するのが、少女漫画のオチでしょ?

なんで私は思わず近くに行って、魔法陣を覗いたの?

いやいや、謎だ。

私という生き物は、なんて謎なんだ。


って考えてる場合じゃないよ!

沢村くん、ビックリを通り越して動きませんよ!?

どうすんのこれ!?

まさかの展開だよ??

でもまぁここは攻撃されるのが、少年漫画のオチでしょ?

そんな非常識なこと、するわけないけど。

ズドドドドォーン!!!

あっ、ですよねー。

やっぱ、攻撃するよねー。

私もするわ。

私の人生、短かったな。

まさかの2話目にして、完結になるなんて思わなかったよ。

お父さんお母さんありがとう。

今まで仲良くしてくれた友よ、ありがとう。

私は楽しかったよ‥‥‥‥

ってダメでしょー!?

普通の少年漫画も、ここで生き延びて勇者になりますよ?

一応、女子だけど気にしないよ?

大丈夫。

落ち着いて。

少年漫画では、体内から未知の光線が出て、私を守ってくれるから。

まずは、クラスメイトを倒しましょ。

私は勇者さ!

と、ここまでで、ジャスト10秒。

沈黙の時間は約8秒か‥‥。

うん、長い。

もちろん、私のシナリオでは、ここでビーームが飛んできて、「俺に出会うように出来た人生を恨むんだな」とか沢村くんが言っている間に未知の光で交わして倒すー。

というものですよ?

別に普通でしょ?

もちろんビーームが飛んできましたよ?

いやでもね、

いくらなんでも、それはないんじゃない?

さすがにシナリオに書いてないよ?

いやだって、沢村くんと私の距離、2mもないよ?

まさかの届かないなんてオチじゃ‥‥ない‥‥‥‥よね?


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