《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
弘樹は自分の思いはもう…
言葉にしないと誓った―――



「弘樹さん。

この子には夢がたくさんあるんです。

いっぱいの夢を持って誕生するんですよ。

私の勝手で夢を壊してはいけないですよね。」

英美はそう言って明るい笑顔を見せた。

癌と知ってから暗かった表情が一変し、何かが吹っ切れたように明るい表情になっていた。

いつもの、本来の英美の表情を見た弘樹は小さく笑った。

ピリピリとした空気が漂っていた数週間から、ようやく解放された。
< 282 / 348 >

この作品をシェア

pagetop