冷たい彼は旦那さま
空はもう真っ暗。
どうやって帰って来たのか分からないまま、私は玄関の前に立っていた。
ドアノブに手を掛けるのさえも、気まずい。
「よし!」
一息つき、ドアを開けると翼さんが立っていた。
「な、んで……」
そして、さっきまで一緒にいたサツキさんも。
唯一違ったのは、サツキさんが泣いていることだっ。
そして、良く見れば翼さんもいつもと違って、怒ったような顔をしている。
まるで、あの日のように。