冷たい彼は旦那さま
「………」
何も言わない翼さんが、視線を私へと向ける。
無表情な翼さんは、まるでつい最近の翼さんを忘れさせる。
「俺の気持ち?そんなの言わなくても知ってるんだろうと思ってたけど。なんだ、気付いてなかったんだ?笑える」
「……え?」
低くて、怖い翼さんの声。
最初は違う人が話してるんじゃないかって、思った。
だけど、この部屋には私と翼さんだけ。
ほかに誰かなんている事なんてあるはずもなくて。
「俺、遥のことずっと……」
躊躇うかのように、翼さんが顔をそらす。