冷たい彼は旦那さま


「だから、ごめん」


サツキさんに深々と頭を下げる翼さんは、カッコ良く見えた。


私にはきっと、どんな翼さんもカッコ良く見える。


それぐらい好きだから。


「サツキさん、ごめんなさい。私も翼さんが好きです。大好きです。だから、サツキさんには渡せません」


我儘なのかもしれない。


きっと我が儘なんだと思う。


けれど、我が儘でもいいって思える程に、翼さんのそばに居たい。


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