冷たい彼は旦那さま


その言葉に胸が抉られた感じだ。


分かってたからなんだと思う。


私の代わりなんて沢山いる。


翼さんは私じゃなくてもいいんじゃないかって思ってたから。


サツキさんは私より美人で、素敵な人だ。


何より、翼さんのことを理解できると思う。


社会人としても、一人の女性としても。


「違う。遥の代わりなんて誰も居ないから遥が好きなんだ。遥が遥かだから、好きになった。俺が、遥しか考えられなくなってたから」


「‥‥翼さん」


「これからそれは変わらない。変えられない」


私は今、何年でも生きられる。


こんなにも嬉しくて、泣きそうになる言葉なんてこれ以上無いと思う。


私も同じだから、分かる。


翼さんが翼さんだから、翼さんがいい。


翼さんじゃなきゃ、嫌なんだ。


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