冷たい彼は旦那さま


「俺には嬉しい我侭です」


わざとらしい敬語が、余裕に見えて悔しい。


「翼さんの、バカ」


繋いでいた手をグッと自分の方に引き寄せて、自分から唇を重ねた。


数秒触れる程度。


触れたか分からないほどのキス。


それが、私の精一杯。


だけど、翼さんは顔を赤くしてる。


「翼さん、顔が真っ赤です」


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