おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
診察室は明るく、今日選んだ先生は女医さんだった。


毎回先生が選べるのでいろんな先生に診てもらって合う先生を見つけようと思った。


それがちょっとした落とし穴になるとは思ってもみなかった…



「はい。先週きて何も見えなかったんですよね。今日は反応も強いですし、見えるかも知れませんね。では、あちらへ。」



さっき出した尿検査のことに少し触れただけで内診室に通される。








見えてますように…
見えてますように…







心の中の声が思わず口に出そうになりながら薄目をあけて、モニターを見る。






きっと…


見えてるよね………




あ…れ……………





待ち望んだ見えるはずの黒い丸は…なかった……






「…………まだ…見えないみたいですね。」





そこに写っていたのはこの前と変わらない、空っぽの子宮。





そっか……


まだ…早いよね。




残念……というよりは、もっと暗い気持ちが私を包みこんだ…


冷たい氷水が、体の中に染み込んでいくような…






まだ週数は5週前後。

赤ちゃんの袋は見えることが多い時期だけど、成長スピードや、着床の時期によってはまだ目に見えないくらい小さいことがある。




まだ赤ちゃんが見えないこともある…




それはわかっていたことだけどいざ、見えない状態になると深く落ち込む自分がいた。




まだ…早いだけだよね…?




内診を終わりにして診察室に戻る。



「まだ早い時期なのか胎のうは見えませんでした。ただ、子宮外妊娠の可能性もあるので、腹痛や出血に注意してください。」


「え…」



子宮…外妊娠………?




「では、次は来週きてください。」


話すだけ話して、診察は終わりですといわんばかりの先生に何も聞けなかった…。




新たな不安の言葉に足取りは重くなる。





あの子の時は病院に行ったらすぐ見えたから考えたこともなかった。






そこにいないかもしれない不安と、


妊娠初期という状態の中で一番怖い、




「子宮外妊娠」







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