おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
ソウカクシキュウはハートのかたちの子宮で流産の確率があがる…


帰宅してスマホで調べた双角子宮のページを見て愕然とした。



並んだ言葉は「流産」、「早産」、「死産」……
現実味のない言葉が並び、頭が麻痺する。
私がこのおそれがあるの?



流産する確率は○%…なんてご丁寧に詳しく載せてあるページをピッと消して天井に目をやる。


読んでしまった体験談も私を不安にさせる材料になった。


普通に産めた人もたくさんいる。



けれど経過が順調でも逆子になって帝王切開になった人がほとんどだった。



流産という言葉はまだ現実的に受け入れられないでいたけれど、帝王切開の言葉は私の胸に重く響いていた。



帝王切開が多くなるってことは無痛分娩はできなさそう…
てことは結局痛みに耐えなきゃならない??


双角子宮の不安はいつしか陣痛の痛みへの恐怖に変わっていた。






「そろそろ、親に報告する?」

今日の検診を無事に終えたことを伝えると、陽はそう切り出した。

「そうだね。心臓が動いたらほとんどが大丈夫らしいし。」

順調に育っていたならば心拍確認後の流産は5%以下。
たまひよに書いてあった情報を思い出す。



「あ、そういえば、私の子宮はハートのかたちみたい。」

「ハート?」


女の私がそう言われてもピンとこないのだから男の陽は全くわからない状況だろう。

心配させるのも嫌だったのでサラッと内容を伝えた。

「で、大丈夫なの?」


そんなこと私が一番聞きたいよ。


「今のところは大丈夫みたいだよ。
あ、お義母さんたちには言わないでね。」


子宮奇形…
生活に支障もないし、見た目も変わらない。

けれど奇形=欠陥がある

そう関連付けた私は、他人にもそう思われるのはイヤだった。















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