おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
少しずつ…少しずつ恐くなってきていた。


もしかしたら流産してしまう可能性があるの…?



もらったエコー写真は、そんなことも知らず順調に大きくなっている赤ちゃんの姿。
成長は何も問題なく、標準より大きいくらいだった。


すぐ隣に大きな血の固まりがあっても、今この瞬間も、必死に大きくなろうと頑張っている。



「大丈夫……だよね…?はるちゃん…」


初めて声に出して呼び掛けた名前。


陽と二人で考えた赤ちゃんの名前。
何度も書いては消し、考えては変えてやっと決めた赤ちゃんの名前。
春に産まれるはずだった、可愛い我が子の名。




がんばらなきゃ…

私がはるちゃんを守らなくちゃ…




危機感をもった私の行動はそれからは早かった。


大学病院にすぐに電話をかけ2日後に予約をとり、職場にも連絡をした。



「今は赤ちゃんのことと自分の体のことだけを考えなさい。」


園長先生の言葉に深く御礼を言い、卒業して以来続けた保育士という職業を初めて休業した。

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