三行ラブレター


「今日はこの後出かけなくちゃいけなくて焦ってるんです。素早く返して下さい」

「何処行くの?俺も行く」

「来なくていい!」

「じゃあ返さねー。折角の終業式だぜ?パァとどっかいくべ」



「パァと行きたいならご勝手に。この前の先輩と行けば良いじゃないですか」



私の言葉に油断した坂田を見逃す事はしなかった。

素早く奪い取ればメガネをかける。
そして坂田を睨みながら「先生に構ってる時間はないんです」と言って立ち上がる。


さよなら、と言う言葉と共に鞄を手に取れば足早にその場を去った。

何なんだ!あの男は。
弱いものイジメして楽しんでる?!


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