少年陰陽師 奥州平泉奇譚
プロローグ――月見坂高校正門前
5月中旬。

僕──雨宮祐と雨宮八雲は父さんから、中尊寺金色堂で有名な平泉市にある月見坂高校への転校を命じられた。


月見坂高校 正門前。

まだ担任教師との面通しも済まないうちから……。


やってしまった!?


「よぉ、見ないツラだな」

剃り込み長ラン……厳つい格好をした、恐いい顔したお兄さんが数名。

睨みをきかせている。



「チッ」と八雲。


「!!!んだと?おい。コラッ!!そっちの細っこいの!えらく物騒な物、持ち歩いてるじゃねぇか?!!あぁー!!」


これって……すごーくヤバい展開!?


「うっせェーッ!!とっととどけや!!おっさん!!」


ウキャーっ!や、や八雲!?
怒らせちゃマズ……


思うそばで「うぐっ」と鈍い呻き声が聞こえた。

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