少年陰陽師 奥州平泉奇譚
1》月見坂転校と僕のこと
4月の終わり。

京都、一条戻り橋。

そう、かの有名な『安倍晴明』の系譜を継ぐ陰陽師一族である御門家より、雨宮家に怪異調査の依頼が舞い込んだ。

なんでも……平安時代。

大天狗と名を馳せた後白河法皇の末裔から、「神泉苑の水が淀み始めた」との妙な知らせがあったらしい。

御門家は、調査を進めていくうち、岩手県平泉市に怪異の源があることを突き止めた。

また、4月初めから月見坂高校で学生の怪我や不調が増えたが原因不明。


学校の中のことだから、大人よりも学生の方が適任だということで、僕と八雲に調査のおはちがまわってきたらしい。

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