神様のおもちゃ箱

「生意気」

「俺は、年上の女が嫌いです」


つんと前を向く。

子供扱いはもうたくさんだ。


「あーそう」


由紀子さんは拗ねたようにそう言った後、またさっきみたいに「何で?」と聞いた。


「身勝手だし、俺のことガキ扱いするし、振り回すし……」

「うん」

「すっげぇ大人ぶるし。ってまぁ、大人だけど」

「うん」

「本当は弱いくせに、強がるし……」



また彼女を見る。

長い髪が、風になびいた。


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